TMI学生座談会
  ~TMIってどんなところ?~

[PDF]  2012年6月号 [第48号]技術経営戦略学専攻特集 
カテゴリ:[学生生活]  学科:[システム創成][大学院の専攻]

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 工学系でありながら、技術経営を学ぶTMIとはどんな専攻で、どんな学生がいるのでしょうか?
 今回は、修士課程に所属する学生3名をお呼びして座談会形式でいろいろなお話を伺いました。



TMIはどんな専攻でしょうか。


弘田啓時(ひろたひろゆき)さん 茂木・阿部研究室 修士2 年
東工大の生命理工学部で、生物学を学ぶ
金融業界に就職予定

弘田: 自分の意見をしっかりと持っている人が多い専攻ですね。今の社会に対して、何かしらの問題意識を持っている人が工学部はもちろん医学部や法学部などいろいろな分野から集まってきていると思います。
 私も、東工大で生物学を学んで、科学の面白さを知りましたが、科学技術の現場を経験した上で将来は高度な政策立案に携わりたいという当初の目標のためにTMIに進学しました。
 それぞれが興味を持っている分野は少しずつ異なりますが、同じ環境で建設的に意見を交えることがとてもいい刺激になっていると思います。


: 授業でも、自分の頭で考えることの大切さを強調されますね。
 例えば以前、授業で「日本を今後どうするか?」ということについて自分の意見をプレゼンする課題があったのですが、「日本の技術力を生かして・・・」という私の発表に対して、「本当に日本の技術力が高いのか?何を基準にそう言えるのか?」と教授に指摘されたことが今でも印象に残っています。
 世の中では当たり前としてうやむやにされていることも、一度疑い、自分で調べ、客観的な事実を基に意見を構築することの大切さを実感させられました。

木原: 良い意味でお金についてきちんと考えている人が多いですね。
 技術力を強調するだけでなく、実際に産業化した際にどれだけ収益につながるか、その技術に投資する意味が本当にあるのか、といった技術と価値を結び付けていくことの大切さを誰もが意識しています。

カリキュラムの特徴を教えて下さい。


関喜史(せきよしふみ)さん 坂田研究室 修士2 年
システム創成学科から進学 Web 業界に就職予定

: TMIでは修士1年の前期は研究室に配属されず、授業で技術経営学の基礎を学びます。
 授業はグループワーク中心で、週に3~4回みんなの前で発表する機会があります。徹夜する日もあり、なかなかハードでしたが、限られた時間でグループの意見をまとめ、自分の意見を論理的に説明する力が自然と身に付きましたね。

弘田: TMIでは、学生のプレゼンの審査員や講師として、有名企業の経営者クラスの方がいらっしゃる授業が数多くあります。経営者の生の声を聞けることはとても刺激的で勉強になりますし、そうした環境の中で日ごろから話し慣れていると、就職活動の面接の時なども少しのことでは動じなくなります。
 TMIに進学してから、座学ではないディスカッション形式の講義が増えて、講義がより面白いと感じるようになりました。

木原: 全体として企業戦略を扱う授業が多いので、自然と企業サイドから物事を捉えることができるようになりますね。他にも、行き先から現地での企業訪問まで、すべて学生で企画する海外研修があり、昨年は中国に行きました。
 海外研修前は「中国は人件費が安い」などの漠然としたイメージしかなかったのですが、実際に企業を訪問してみて、それだけでは済ませられない中国の現状を肌で感じることができました。

TMIで学んだことをどう将来につなげたいですか。


木原郁(きはらかおる)さん 西野研究室 修士2 年
システム創成学科から進学 博士課程進学志望

木原: 私は、アカデミックな世界に進みたいと考えています。もともと数学やシステムに関心があって、システムという観点から社会をとらえたいと考えていました。現在は、社会を動かすお金とそのプレイヤーである企業の技術経営戦略に関する問題にゲーム理論を使って取り組んでいます。

: 私は、Web業界でデータ分析に関する仕事をしたいと考えています。これまで、TMIでビジネスを学びつつ、情報理工学系研究科の講義を聴いたり、Web系の企業の長期インターンに行ったりしてエンジニアとしての技術も同時に磨いてきました。

 データ分析では、人工知能や統計解析などアカデミックな手法をビジネスに適用します。このような、アカデミックな知識をビジネスに利用するという視点はTMIで学びましたね。

弘田: 現在、日本の産業の国際的地位・競争力の低下が叫ばれています。この課題解決において将来リーダーシップを発揮する人材には、専門的な技術的スキルをもつ人、法律を始めとした国内外のルールを専門とする人、経済・金融・経営を専門とする人の3種類がいると考えています。その中で私は、経済・金融・経営のプロとして日本の国際的地位・競争力の向上に貢献したいと考えています。

最後に後輩にむけてメッセージをお願いします。


弘田: 自分の進路を考える上で、「この道を進めば必ず成功する」といった類の既定路線は一度疑った方がよいと私は考えています。自分、あるいは周囲の人を幸せにするためには、どんな道が最善なのか自分の頭でとことん考えることですね。

: 結局、自分が好きだとか、必要だと感じることじゃないと続かないと思います。自分が好きなことを探し、それに力を注いでください。

木原: 自分の進路で悩んだときには、とにかく人に会って話をすることをお勧めします。駒場時代を思い出すと、もっと自分から行動すればよかったなと思います。ポスターや説明会など情報源はいろいろありますが、社会なり組織なりで実際に活動している人の意見が最もリアルで参考になると思いますよ。

(レポーター 松浦 慧介)


[PDF]  2012年6月号 [第48号]技術経営戦略学専攻特集 
カテゴリ:[社会]  学科:[システム創成][大学院の専攻]

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